多摩税務会計セミナー 企業の成長と繁栄を導く経営実務
税務ミニガイド
年末調整が終わった後、年末までに結婚して控除対象配偶者を有することとなったり、子供が就職して控除対象扶養親族でなくなったりしたことなどによって、配偶者控除や扶養控除額が増減した場合などは、源泉徴収票を交付することとなる翌年1月末までは、年末調整のやり直しができます。
無償返還の土地の譲渡は
質問
甲社が所有する事業用建物ですが、この建物は、甲社の元社長が所有する土地の上に建築されています。
建築後10年が経過していますが、建築時に「土地の無償返還に関する届出書」を提出しています。
借地権の認定課税は回避し、土地については賃貸借契約を締結しています。
このたび、この底地を甲社に譲渡することにし、譲渡対価として、一つの案として相続税評価額を0.8で割り戻した金額を検討しています。
その際、「無償返還の届出書」が提出されているので「相当の地代通達8」の8割評価を加えることは可能でしょうか。
つまり、その計算では、通達によって8割相当で評価致し、それを0.8で割り戻すと、結局路線価評価が時価という判断になるのですが、この考えはいかがでしょうか

回答
無償返還の届出書を提出している敷地の価額は、借地人に借地権相当額の権利はないものとされています。
原則として、売却時の時価によって計算された価額によるものと考えられます。
相続税の課税価格の計算上は、地主が被相続人である場合には自用地としての価額から20%相当額を控除して評価されることとされていますが、これは相続という臨時偶発的な事情を考慮したものですので、これを譲渡の場合と同様に使用することはできないものと考えます。
ただ、資産の譲渡は所有者と借地人の合意のもとに価額が設定されるものでありますので、譲渡価額の計算根拠として80%評価は取引の相手が第三者である場合には認められる可能性がありますが、一般的には時価によるのが相当と考えられます。
小規模宅地等の特例の適用可否
高齢化社会になり、親が老人ホームに入所するケースが増えており、寿命の内、健康寿命を超える要介護期間が、男性9~10年、女性12~13年程度とされているので、
最近の傾向としては、介護が必要となってからの入所よりも、元気なうちから入所を決める傾向になっています。
平静25年度の税制改正において、老人ホームの入所まで居住していた自宅の敷地に係る相続税の小規模宅地等の特例の適用について、一定の要件の下、その自宅の敷地は、相続開始直前における被相続人の居住用宅地等の概念に該当する事になる旨が法令に明記されました。
一定の要件とは、次の2つの要件です。
➀被相続人が要介護等認定者に該当(認定申請中に相続開始で事後認定も可)
➁入居老人ホームが老人福祉法等規定に該当

なお、宅地等の取得者ごとに係る要件もあります。具体的な判定としては、次の各場合には小規模宅地等の特例が使えます。
➀配偶者が自宅に引続き居住の場合の配偶者が相続
➁夫婦で老人ホームに入所後、留守宅の自宅を配偶者が相続
③被相続人が老人ホームに入所後、引続き居住をする同居親族が相続(生計一は要件ではない)
④➁の物件を③の同居親族が相続
⑤③の引続き居住の同居親族が対象の自宅を建替えた後に引続き居住継続して相続
⑥被相続人が老人ホームに入所後、留守宅を別居の親族の「家なき子」が相続
なお、③の同居親族については、以下の3要件の具備が必要です。
➀相続開始直前に被相続人の居住用敷地に居住している
➁相続税の申告期限まで当該宅地等の所有継続
③相続税の申告期限まで当該宅地等での居住継続
因みに、被相続人が老人ホームに入所後の留守宅に生計一親族が入居した場合は、要件不要で適用です。
また、自宅を賃貸した場合、特定居住用宅地等としての小規模宅地等の特例は使えませんが、貸付事業用宅地としての小規模宅地等の特例を使うことができます(3年以上の期間貸付が条件)

ふるさと納税は2,000円の負担で寄付金額の30%相当の商品が返礼品としてもらえます。10,000円寄付すると、3,000円相当の希望した商品がもらえて、翌年3月に確定申告するとで、国税と地方税の合計で8,000円の税金控除されます。節税効果にもなります。
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